学長室だより

2022年(令和4年)年頭に際して

すっかり遅くなってしまいましたが、あけましておめでとうございます。

コロナは、オミクロン株に姿を変えて、感染再拡大という状況となっています。本学の感染状況も、昨年末にはほとんどないような状態となっていましたが、年が明けてから、少しずつ増えてきています。こうした状況ですが、しかし、これまでの経験を生かして、これから始まる本格的な入試シーズン、秋学期後半を乗り切っていきたいと思います。

先週6日、7日と、本学と連携協定を結んでいる岩手県の二戸市に行ってきました。本学は、かなりの数の自治体と連携協定を結んでいますが、二戸市はその中でも古く、すでに10年に及ぶ交流を行ってきているところです。学長になってからまだ一度もご挨拶していないということで、協定のきっかけをつくった、岩手県での教員経験のある佐々木理事・副学長と訪れました。

初めての訪問ということで、協定締結時から10年以上にわたって教育長をお務めの鳩岡先生(高校社会科の元教員)から、地元の新聞の切り抜きを中心に、この10年間の連携交流の歩みをまとめられたファイルを頂きました。その中には、東日本大震災の被災地を、あちらの先生に引率して頂きながら数日かけて本学学生が巡るという、被災経験を若い人の記憶に残す ―― 後世に残していくという岩手の地でないとできないような貴重な、まことに得難い取り組みもありました。連携協定が実りあるものになっていることを、また、こうしたことをきちんと記録してくださっていることを、まことにうれしく思うとともに、本学への期待を強く感じました。

今年の4月から国立大学は、新たな6年間の中期目標・中期計画期間に入ります。気持ちを新たにして、「有為の教育者(教員・支援職)の養成」という本学の使命に取り組んでいきたいと思います。本年も引き続きよろしくお願いします。

2021年の年末にあたって

ちょっと古い話で恐縮ですが、11月8日の教育新聞に、"高校生のなりたい職業で「教員」が男子1位、女子では2年連続2位"という見出しの記事が載っていました。これは、通信アプリ大手のLINE社が「LINE」を使ってアンケートをとったものだそうで、高校1年から3年の男子517人、女子527人が回答したそうです。回答人数が限られており、また、答えたのはこうした調査に積極的な学生という点でバイアスがかかっているとは思いますが、しかし、何にしても1位は1位。まことにうれしく思います。

それよりは少し後ですが、本学教職特待生との懇談会がありました。本学独自の制度である教職特待生(経済的に厳しい中で教員になることを強く希望する学生を支援する制度)のことやこの懇談会のことは昨年の学長室だより(2020年12月17日)にも書いたところです。

今年の懇談の中で、「教師という仕事がブラックと言われていることは知っていたと思うけど、それは、君たちの大学選択には影響しなかったか?」と尋ねたところ、ほとんどの学生が、「知ってはいたが、入学してから教育実習の際に自分で見たり、現職の先生の話をなどから判断してみたいと思っていた」というような答えをしてくれました。情報を鵜呑みにするのではなく、自分自身で判断したいと考えていることは、たいへん頼もしく感じました。

これまでこの学長室だよりにも書いてきましたように、教師の仕事が負担過重となっていることは事実です。が、教師という職業のブラック・イメージが広がっているなかで、こうした高校生や学生の反応には、大いに励まされます。教育者の養成はやりがいのある仕事です。昨年も年末に記したことですが、そうした仕事に携わることができて幸せだと思います。来年もこの仕事に力を尽くしたいと思います。

今年もお世話になりました。来年も引き続きよろしくお願いします。