図書館学

第1回

E類生涯学習 生涯学習サブコース
図書館学

知ることの喜び、時間を忘れて夢中になる経験、不思議な世界への入り口、心地よく落ち着ける居場所。学校図書館は、学びと安らぎの場です。言語力や情報活用能力を活性化し、主体的・対話的で深い学びを実現します。学校図書館を支える専門職として、「学校司書」が法律で定められ、活躍が期待されています。図書館学における見方・考え方を通じて、次世代型教育の中核を担う人材を育成します。

ちょこっとのぞきみ

「図書館情報学演習Ⅰ」

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この授業では、附属小金井中学校の学校図書館で、毎週継続的に学校司書の実践を行います。授業の前半は、50人から70人ほどの生徒が来館する昼休みを図書委員とともに切り盛りします。後半は、国語や社会の調べ学習見学や授業補助もしましたが、主にはブックトーク、展示コーナー、図書館だよりの3グループに分かれて企画や準備活動を行います。

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たとえば、ブックトークのグループは、図書館に来た生徒たちを対象に、テーマに沿った一連の本を紹介し、学ぶ楽しさを伝えました。テーマ設定から本選びまで、図書館の重要な活動を現場で実践できる貴重な体験です。「僕らもやってみたい」という生徒たちとも意気投合しました。展示コーナーの企画では、配置や飾り付けを工夫し、本と生徒をつなぐ場を丁寧に作りました。カウンターでは図書委員と寄り添いながら、バーコード式の貸し出し業務や本の検索を行います。いつもたくさんの生徒の行列ができます。

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昼休みの図書館は次第に生徒でいっぱいになりとてもにぎやかな図書館といった印象で、生徒たちも学芸大生との関わりを楽しんでいるようでした。春学期の最後には、附属中学校校長の奥住先生、副校長の村上先生を交えて、反省会を行いました。学生たちは図書館での生徒たちとの交流を通して、中学生の特性や活動の中の様々な気づきや今後に向けての意見を述べていました。

学生からのメッセージ

3年 西本 優香 さん

前田先生の図書館学のゼミでは、本の貸出などの学校司書の業務を実際に行ったり、ブックトークや図書館新聞・展示コーナーの作成を学生が主体となって企画をしたりと実践的な学びが出来るのでとても良い経験になります。
また、短期間で終わる教育実習とは違い週に1度で半年〜1年間を通して長期的に中学生と交流ができます。この活動は昼休みに行われるため、友達とお話ししたり1人でゆっくり本を読んだりといった授業の時とは違う生徒たちの様子を見ることが出来ます。図書館に集まった生徒と対話をし、次週までにそれぞれでおすすめの本を読んで次に会うときにより発展した対話をするなどの交流が出来ることもこの活動の大きな魅力の一つです。

教員紹介

前田 稔 先生

前田ゼミでは敷地内に附属中学校がある東京学芸大学の特色を生かしてきました。想定外の出来事が毎週起こるなかで、思い通りにいかないときには、思いがけない出会いがあることを実感します。学生同士で考え抜いたうえで直面する課題を切り盛りし、生徒が生涯学び続ける基盤を形作っていきます。また、どの本も面白くてためになる中学校の蔵書を翌週まで借りることも魅力のようです。
2019年度入学生からは本学で得られる諸資格に「学校司書」が加わります。一方、「司書」資格に関しては図書館学の山口ゼミが中核を担っています。文献購読と各地の図書館見学を組み合わせながら公共図書館や大学図書館を通じた生涯学習のデザインを学びます。

文章・写真/乗松まりな、小林慈樹、虫谷涼香

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