愉しくて学びがいのある授業をつくる

第4回

A類学校教育
愉しくて学びがいのある授業をつくる

ちょこっとのぞきみ

 みなさんは、「愉しくて学びがいのある授業」ときいてどのようなことを思い浮かべますか。

 「先生の教え方が上手」「巧みな話術で引き込まれる」などの、子どもから見た教師の技術の高さでしょうか。「何か役立つ知識や技能を得られる」「思考力が高まる」などの、子どもの資質・能力の高まり具合でしょうか。あるいは、「内容が興味深い」などの、学習内容の質の高さでしょうか。それとも、「子どもと先生、子どもどうしの関係がよく、豊かなコミュニケーションがある」などの、授業全体の人間関係やコミュニケーションの豊かさでしょうか。はたまた、「子どもが夢中になって学び、頭がフル回転している」などの、子どもの意欲の高さや学びの姿のすばらしさでしょうか。...「愉しくて学びがいのある授業」と一言で言っても、その要素は実に多様です。しかし、学校では教師も子どもも日々、その実現をのぞんでいるはずです。

 その実現のために、「授業を含む様々な教育活動は具体的に何を目標にすべきなのか」「どんな教科や領域をどのように学習すべきなのか」「計画としてのカリキュラム(学習内容やその配列)はどうあるべきか」「教師にはどのような教育技術が必要なのか」「どんなテクノロジーが活用されるべきなのか」「教師が意図する・しないにかかわらず子どもが学びたいこと、実際に学んでいることは何か」「学習集団、生活集団としてのよい学級や人間関係とはいかなるもので、どのように形成すべきか」など、教育方法に関する様々な問い(教育実践の様式と技術に関する問い)を探究する学問を「教育方法学」といいます。

 学校教育教室の教育方法学領域では、すべての教科等に通底する教育方法やその原理を多面的・多角的・総合的に学んだり、特定の教科ではなくそれ以外の領域についても学んだりしながら、先のような問いを考えます。「学習指導論特講・演習」「特別活動論特講・演習」「教育工学特講・演習」「カリキュラム論特講・演習」などの様々な授業で、教育方法学の魅力に触れてほしいと思います。そして、教育現場で必要となる知識や技術を身に付けるとともに、単なる教師の表面的なテクニックではなく、「愉しくて学びがいのある授業づくり」を多面的・多角的に問い続ける「愉しさ」を味わってほしいと思います。

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模擬授業をしながら子どもの学びが深まる方法をさぐります

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自らテーマを設定し、よりよい授業や学校教育のありかたを探究します

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先行研究者の学習指導理論を、文献講読とともに体験活動も交えて考察します

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過去の教育実践を、目的や内容、方法、子どもの思い・願いなど、多様な視点で分析します

学生からのメッセージ

根本 紗衣(令和2年度卒業生)

 教育方法学の授業では、「授業づくり」「学級経営」「カリキュラム」「特別活動」「教育の情報化」「指導技術」などをキーワードとして、「教師がどのような働きかけを行えば、よりよい教育を実現できるのか」ということを多様な視点から考えていきます。他の領域と比べると、教育現場で必要となる知識や技術について深く学ぶため、「教育現場に一番近い領域」だと私は思います。そのため、将来教師として教育に携わりたい人に特におすすめです。また、教育の方法や技術はもちろん、「子どもに学ぶとは、教師として大切なこととは」というような、教育の根本となる考え方も学ぶことができます。さらに、さまざまな教育の事象に関する見方・ 考え方を深めることもできます。私自身、教育方法学を専攻して学んだ結果、自らの教育観を広げ、深めることができたと感じています。
 この道のスペシャリストの先生方や、熱い志をもった仲間と共に、ぜひ教育方法学を学んでみませんか? 学生たちは、これを読んでくれた「あなた」と共に学べることを心から楽しみにしています!

教員紹介

山田 雅彦

林 尚示

高橋 純

大村 龍太郎

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