考古学

第1回

E類生涯学習 文化遺産サブコース
考古学

皆さんの考古学のイメージはどんなものでしょうか。発掘でしょうか? 土偶でしょうか? それとも埴輪でしょうか?
発掘は多くの人の協力があってはじめてできるものです。発掘を通してたくさんの人と交流してほしいと思います。
現在は夏期休暇に行う合宿で発掘調査をしていますので、ぜひとも、一緒に発見の喜びを感じてほしいと思っています。

ちょこっとのぞきみ

「考古学実地研究Ⅰ」

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今回は学内で行った測量実習の授業に同行させていただきました。
測量といえば建築関係や地理関係のイメージでしたが、考古学のフィールド調査では、出てきたものを把握するためや記録を残すために測量が必要な技能だそうです。

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二班に分かれて、セッティングや機材の説明、高さのメモリの読み方などを先生と大学院生の先輩方が説明していき、その後ひとりずつレンズを覗いて測っていきました。ただレンズを覗くだけかと思いきや、意外とコツがいるらしく苦戦気味の学生さんもいる様子です。
先生に見る場所を教えてもらいつつ考えていると、
「あっ!」
と、わかってすっきりした表情で声を上げました。とても良い表情でした。

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この授業では3種類の機材での測量方法を解説していました。アナログ的な方法からデジタル機器まで、学校に専門的な機材が揃っているのですね。
夏休みには発掘のために都外でフィールド調査があるそうなので早速実践できそうです。
暑い上に蚊がたくさんいる中、お疲れ様でした!

学生からのメッセージ

2年 田中 大貴 さん

考古学実地研究Ⅰでは、考古学の基礎となる土器や陶器の実測だけでなく、野外実習としてトータルステーションを用いた距離の測定や、平板を用いてアナログ式の測量を行なって等高線を書くなど、実際のフィールド調査に近い作業を行いました。慣れない作業になかなか上手くいかず悪戦苦闘でしたが、日高先生や先輩方のアドバイスにより一通りの作業を体験することが出来ました。単に座学で学んで理論を理解するよりも、実際の器具を用いた実習はとても面白く、より一層考古学へ興味を抱くきっかけとなりました。考古学は文化財・文化遺産を考える上で、その基礎となる学問です。これからも考古学を学びながら、自分の研究対象を選定していきたいと思います。

教員紹介

日高 慎 先生

考古学は人類の歴史を研究する学問です。人類の誕生から現在までが研究対象になります。私は日本列島の考古学を研究していますが、主に研究対象にしている時代としては弥生時代から奈良・平安時代くらいになります。日本列島は四方を海で囲まれた立地をしていますので、様々な人々や文物・情報が日本列島に入ってくるとともに、朝鮮半島や中国大陸、北東アジアや東南アジアへと人々が移動していった歴史が知られています。そのような古代の地域間交流の実体を、明らかにしたいと考えています。知りたいことを、発掘調査で得られた物質資料をもとに研究するのが考古学です。考古学の醍醐味である発掘調査に、ぜひ我々とともに参加して発見の喜びを感じ取ってもらいたいと思います。

文章・写真/乗松まりな、小林慈樹、虫谷涼香

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