教育や学校を変えるとは?―その仕組みや条件を考えよう!

第4回

A類学校教育
教育や学校を変えるとは?―その仕組みや条件を考えよう!

ちょこっとのぞきみ

 教師を目指すみなさんは、「どのようにしたら魅力的な授業ができるか?」「どのように子どもに接すると信頼関係を築けるか?」 このような点に関心を持たれている方も多いと思います。また、「自分も憧れのあの先生のようになりたい!」「部活の指導で一生の思い出になる経験を共に積み重ねたい!」と夢を抱いている方もいると思います。

 このような各自の動機が大切になる一方で、教育が成り立つ仕組みや背景に目を向けてみると、授業一つをとってもさまざまな点に意識を向け、丁寧に考え、行動していくことが重要になることにも気がつきます。

 たとえば、「なぜ、この教科書の内容を教えることが、いま、必要な時代になっているのか?」「同じ内容・方法を教えても、学習成果に違いが出るのはなぜか?」「家庭環境が変化してきているのか?」「地域との関係性に課題があるのか?」などの視点からも教育事象を検討していくことができます。その他にも、「今の教室空間以外にも、どのような学校建築がありえるか?」「授業を実施する教員は、一人よりも複数の方がいいのか?」「保護者や地域のなかに適任の方がいたら、ボランティアとして教壇に立ってもらったり、学校経営に関わってもらった方が有効か?」なども考えられそうです。

 さらに、部活動などに目を向けた場合、日本の行政・制度は、教員の資格・研修の整備という点でも、国際的に見た場合、まだまだ検討すべき課題が多く存在しているのも事実です。

 教育をこのように、制度・行政的な視点や条件の観点からとらえ、歴史的、国際的な文脈にも目を向けながらその成り立ちや改善の方向性を模索し、検証していこうとする点に教育経営領域の特徴があります。これまでに在籍した先輩方は、たとえば、次のような卒業研究のテーマに向き合ってきました。

 日本の教師文化の特徴、学級経営の課題、オルタナティヴ・スクールの可能性、共生教育のあり方、母語教育の可能性、家庭問題と学校教育の関係、夜間中学校の実情、子どもの遊び場の変化、教育政策と学校改革の関係。

 自らの研究課題、方法に粘り強く向き合い、知的探究・知的好奇心に貪欲な方をお待ちしています!

教員紹介

佐々木 幸寿

佐々木幸寿(教育法制、教育行政):教育に関して、制度、政策をはじめ、法制度や行政の仕組みに関心がある方をお待ちしています。
 担当授業:教育法制特講、教育法制演習、教育学研究法A、教育組織論

末松裕基(教育経営、学校経営):教育や学校は、社会との関係で初めて成り立つものですので、学校や教師を万能視するような単純で安易な言説には警戒心を持つことが必要です。“今、私たちはどのような社会に生きているのか?” このような問いを大切に、これからの社会や教育のあり方を複雑に、粘り強く一緒に考えていきましょう。経営とは、そのように社会の前提を問いながら、具体的な戦略・方策を考えていく学問です。
 担当授業:教育経営学特講、教育経営学演習、教育学研究法B、学級経営論、教職入門、教育組織論、現代学校論 

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