成り立ちから知る国際性<br />~世界の中の日本の教育

第2回

A類国際教育
成り立ちから知る国際性
~世界の中の日本の教育

    橋本 美保 先生

ちょこっとのぞきみ

初めて会った人に自己紹介するとき何を話しますか?
この人どんな人かな、親しくなれるかな。そんなことを考えてドキドキしながらあなたが話すことは何でしょう。自分を知って欲しいとき、年齢や出身地、趣味や特技、あるいは部活動や海外体験など、今の自分を作り上げてきた過去の経験について話すことが多いのではないでしょうか。同様に、国と国、異文化間の交流も相手をよく知るところから始まります。良いパートナーとなり、親しく付き合って行くためには、お互いの希望や課題をぶつけ合うだけでは前に進めません。相手がなぜそんなことを言うのか、するのかを考えるためには、その言動の背景、つまり文化的歴史的背景を知った上で、相手を理解することが必要です。同時に、相手のことを詮索してばかりはいられません。自身の経験やそれに基づく意見をしっかりと説明できないで質問ばかりする人と、仲良くしたいとは思えないでしょう。これから他国の、異文化の教育について詳しく学びたいあなたには、まず日本の教育の成り立ちについて学んでほしいと思います。

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本選修では、「国際教育交流史」や「日本教育史特論」、「国際教育演習E」などの授業で、日本の教育がどうやって今のような教育になったのかを学びます。歴史的に、日本の教育制度や教育思想、教育慣行のほとんどは外国の影響を受けており、それらが国際関係の中で形成された過程を知ることが日本の教育の特徴を把握することにつながります。

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写真は、「国際教育交流史」(2年生春学期)の授業の様子です。この授業では、日本の学校教育が西洋の影響を受けながら成立し、その過程でどのような日本的な変容があったのかを考察しています。学生が予習した内容を発表し、そこで生じた疑問について考察を進めるため、現在から時代を遡って問題史的に歴史を観るという方法をとっています。学生自身の疑問や関心から出発し、自国の教育の特質を理解することで、他国や異文化社会の教育のあり方を観るときの「比較の軸」を持っていただきたいと願っています。

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教員紹介

橋本 美保

専門分野:教育史、カリキュラム
担当授業:国際教育交流史、日本教育史特講、国際教育演習E、国際教育基本文献講読、国際教育臨床、国際教育特別研究、国際教育選修入門セミナー、教育実践演習(小・中・高)

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