
第3回
A類・B類家庭科
住居学
健康・快適・安全な住環境について生活者の視点から探求する!
ちょこっとのぞきみ
私たちは日々の生活時間の9割以上を屋内で過ごし、一生の半分以上の時間を住宅内で過ごしています。また、私たちは住まいで、家族との団らんをしたり、食事をしたり、衣服や家財道具を管理したり、様々なことを行っています。生活を営む場所である住まいは、『生活の器』と表現されます。
住居学領域については、まず、2年春学期の「住居学」で、『生活の器』である住居の役割や住居の歴史的な変遷など、住生活に関わる基礎知識を学びます。その後、実験・実習や演習を通して、住生活を営むための実践力を身に付けていきます。
2年秋学期の「住環境論」では、乳幼児・高齢者体験や車椅子体験をしながら、建物内の開口部の広さや段差の計測を行います。体験後には、大学構内のバリアフリーマップを作成し、誰もが暮らしやすい住環境の工夫について考えます。住まいの構造や家具配置など、安全な住まいや防災についても学びます。
〈高齢者・車椅子体験後に作成したバリアフリーマップの発表〉
3年春学期の「生活環境論」では、専門的な機器を用いた室内環境測定によって、室内の温湿度・空気・音・光など健康で快適に生活するための環境要素や適切な環境調整方法について学びます。また、小学校・中学校・高等学校家庭科用の実験教材を使用して教材研究や授業展開の検討に繋げていきます。
〈箱内部に溜まった煙を汚れた空気に見立て、側面の窓(テープ)をどのように開けたら効率よく換気ができるかを考える箱模型実験〉
住まいの計画は、家族構成、ライフスタイル、バリアフリー、ユニバーサルデザイン、家具、動線など様々な面から考える必要があります。3年春学期の「住居設計製図」では、住居学領域の学習の総まとめとして、各班でテーマに合った平面計画を考え、住宅模型を製作します。これまで学習してきた住生活に関する知識をフルに活用して、毎年、こだわりの住宅模型が出来上がります!
〈製作した住宅模型のこだわりポイントを紹介〉
そして、4年次の卒業研究では、各自の興味・関心に基づくテーマを設定し、住環境や住教育について、より専門的に学び、アンケート調査や実測調査、実験などを通して探求していきます。ぜひ、『生活の器』である住まいについて学びを深め、これからの住教育について一緒に考えていきましょう。
学生からのメッセージ

高部 みなみ(令和元年度卒業生)
住生活領域の授業では、温熱環境や騒音・照度など自分の身の回りの住環境について実測を行ったり、製図の仕方やインテリアデザインなどを体験的に学ぶことができます。また、バリアフリーや防災、持続可能な住まい方など、現代社会と繋げて課題解決を考える授業では、グループ学習で多くの視点から課題を捉えることができ、とても良い経験になりました。住居について専門的に学んだ後は、ICT機器を使いながら住居分野における授業作りを学べたことも、とても魅力的でした。
さらに、ゼミでは、住居に関する文献を読む機会が沢山あり、自分の住居への興味関心を広げてくれる場でもありました。卒業研究を進めるにあたって、先生や様々なテーマを扱う同期との対話的なゼミを通して、自分の視野を広げていくことができ、研究室で学べて良かったと思います。
教員紹介

萬羽 郁子
担当授業:住居学、住環境論、生活環境論、住居設計製図、家庭選修入門セミナー、家庭科教材論Ⅱ(住生活領域)、家庭科研究(住生活領域)