心の発達と文化

第2回

A類国際教育
心の発達と文化

    榊原 知美 先生

ちょこっとのぞきみ

子どもはいつ頃から「○○人らしく」振る舞うようになるのでしょうか。隣にいる子どもを外国人と理解したり、意識するようになるのはいつ頃からなのでしょう。国際教育選修では、このような心の発達と文化の関係について、心理学的な視点からも学ぶことができます。

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(ゼミでの学習)

例えば、2年秋学期の「異文化間心理学」では、社会や文化の中での子どもの発達について、心理学研究がこれまで明らかにしてきた知見を学びます。子どもは、大人とのやり取りや日常の様々な場面で、前の世代から受け継がれてきた考え方や振る舞い方、人との関わり方、世の中の仕組みやルールなどを身につけ、一人前の文化の担い手になっていきます。これは、大人が子どもに押し付けるものではなく、子ども自身も自分を取り巻く世界に積極的に関わることで可能になります。このような子どもの発達の社会・文化的側面について、データや理論を踏まえて科学的に理解することを目指します。

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(心理学研究法についての解説「入門セミナー」)

また、3年秋学期の「国際教育演習B」では、子どもの発達と文化の関係をより専門的に捉えていくために必要となる概念や研究法を学びます。前半は心理学的に子どもの発達・学習を捉える視点と、心理学文献を読む力を養うため、文献の講読を行っています。授業は、担当学生が報告資料(レジュメ)を作成して発表し、クラス全体で討論するという形で進めています。後半は、各学生が前半で講読した文献のなかで興味をもったテーマに関連する心理学論文・書籍を読み、その成果を授業内で報告し、内容についてクラス全体で討論するという形で授業を進めています。卒業論文の執筆に向けて、心理学的な視点から問題設定をして自力で研究を進めていく力を身につけることを目指しています。

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(学生の様子「入門セミナー」)

また、これらの授業では、発達のあり方の文化的相違を実感するためのエクササイズとして、他国の大学との間で共同授業を実施することもあります。例えば、中国の大学との間で、映画やショートストーリーに対する感想をお互いに交換し、そこで感じる違和感や疑問を巡って議論を深める授業などを実施してきました。人間の心を切り口として、文化が持つ不思議さや面白さに触れていただければと思います。

教員紹介

榊原 知美

専門:発達心理学
担当授業:異文化間心理学、国際教育演習B、国際教育特別研究、国際教育選修入門セミナー

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