被服学

第3回

A類・B類家庭科
被服学

消費者・ESDの視点から衣生活について科学する!

ちょこっとのぞきみ

 人類は衣服を着用することで身体を装飾したり、保護しています。文化的で快適な衣生活をおくるためには、近年のめざましい科学技術の恩恵を学ぶと同時に現在抱えている衣生活に関わるさまざまな環境問題などを無視することはできません。
 被服学領域では、1年目に被服学I〜IIIで,まず基本的内容について学びます。例えば、1年春学期には「被服学I」で「衣服の役割や健康な衣生活・衣服素材の科学的な知識」を、さらに「被服学II」では「衣服の歴史的な変遷(浴衣の着装実習含む)・人体の体型と衣服の構成」など、衣生活に関わる基礎知識を学びます。1年秋学期には「被服学III」で「科学的根拠をもとにした衣服素材の取り扱い」を学びます。
 
 衣生活を営むための実践力を身に付けるため、これらのことを実験・実習や演習を通して学んでいきます。1年秋学期の「被服学演習A」では、 衣服の構成や縫製について基礎的技術を含めて学びます。

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〈1年秋学期「被服学実験実習A」で被服構成の実習〉

 2年春学期の「被服学演習A」では、衣服の素材(被服材料学)の基礎的な特性実験や,衣服の取り扱い(被服整理学)の基礎的な実験を行います。たとえば、界面活性剤の働きの実験では、繊維へのヨゴレのつきやすさやとれやすさを確認することで、教材としてどの繊維で実験することが効果的かを理論的に学びます。また、専門的な機器を使用する方法や、身の回りの道具を利用した実験の方法も学びます。

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〈2年春学期「被服学実験実習A」の実験風景(繊維の吸水性実験)〉

 「被服学II」で学んだ衣服の日本文化をさらに深めるために、2年春学期に「被服学演習B 」を学びます。ここでは、立体構成と平面構成の違い、和裁の縫製手法を基本から学んで、浴衣を製作します。

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〈浴衣の製作風景と製作した浴衣を着装して〉

 2年、および3年の実験やゼミでは総合教育棟3号館前で藍を栽培して、2年生は簡単な型染め、3、4年生は生葉染めを行っています。

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〈3号館前の藍(左:生育初期、中:最盛期染色材料、右:開花期、来年度の種採取)〉

学生からのメッセージ

3・4年生のゼミ風景

被服学の授業... 洗濯や繊維などの被服整理学、被服史、被服構成学といった幅広い内容を、実践・実習も交えつつ実感を伴いながら楽しく学ぶことができます。被服学演習Aではブラウス・ハーフパンツ製作を行います.製作過程で縫製の基礎知識を学ぶため、教壇でも困らない技術が得られます。(大川 萌・令和元年度卒業生)
被服学実験実習A、B... 被服学実験実習A、Bでは、実験器具の使用方法など実験の基礎から、繊維、染色さらにナイロンの合成、河川の水質調査など幅広い内容の基礎的な実験を行い、被服学の知識を深められます。また、化学など理系分野の知識が少ない学生も実験を通して体験的に理解を深め、学ぶことができます。(伊藤 梢・令和元年度卒業生)
家庭科演習(被服学)... ゼミ形式で行います.文献購読のゼミでは、基本となる論文の読み方を学び、先行研究について知見を深めます。実験の検討会ゼミでは、先生や研究生と共に実験結果を考察します。お互いの実験結果を交流することで結果の見方が変わったり、知識が増えたりして、より多くの学びを得ることができます。(船澤 千穂・令和元年度卒業生)
被服学の卒業研究... 卒業研究では、洗濯、染色、繊維、汚れなど、自分の興味深い分野の中からテーマを設定し、1年を通して実験を行います。実験をすればするほど、新たな疑問が生まれるため、とても刺激的な1年間を過ごすごとができます。(山口 和歌南・令和元年度卒業生)

教員紹介

森田 みゆき

担当授業:被服学I、被服学II、被服学III、被服学実験実習A、被服学実験実習B、被服学演習B,家庭科教材論Ⅱ(衣生活領域)、家庭科研究(衣生活領域)

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